花粉症には、各種の漢方薬による治療も行われる。
漢方薬は<症状>ではなく<体質>によって薬を選択するので、本格的には専門家の処方が必要である。
一般の西洋医学の医師は、効果のやわらかい薬という感覚で西洋薬のように処方することが多いが、それは正しくないともいわれる。
本人の体質との相性が良いとかなりの症状の改善が期待できるが、現代医学的に効果が確かめられたものは小青竜湯だけである。
病院で処方を受けると、漢方でも保険が利く(しかし、一般の病院では漢方の専門知識をもった医師はめったにいない。理想的には和漢診療科などがよい)。
抗ヒスタミン薬などの西洋薬との併用も行われている。
漢方は、西洋薬に比べ女性の妊娠・授乳期にも比較的安全といわれる。
症状を抑える即効性の薬のほか、長く飲み続ける事で体質を変えて根治を狙っている種類の薬もある。
●漢方薬と副作用
まれに、漢方薬は自然の材料を使用するから副作用が無く、安全であると誤解している人がいる。
これは単に<西洋医学と対比して>というだけの意味で、ここ数十年の間に広まったものである。
ただし、漢方の方法論において副作用という概念がない事から「漢方に副作用がない」というのは本当といえる。
漢方では副作用が出た場合は誤治、すなわち診断ミスか投薬ミスとみなされる。
漢方では、理論上は、副作用があって治癒できるなら副作用なしでも可能であるとされている。
このことを理解するには漢方の概念についてより詳しく知る必要がある。
西洋医学の視点からは、漢方薬の摂取による副作用として、甘草による偽アルドステロン症や小柴胡湯による間質性肺炎などがよく知られている。
●漢方薬と飲み合わせ
漢方薬は、他の漢方薬や西洋薬との飲み合わせに問題がないという誤解をよく聞くが、これは正しくはない。
飲み方によっては他の薬の効果に影響するし、悪い作用をもたらすこともある。
特に<同じ効能を持つ薬との重複>は危険である。
例えば、甘草は漢方方剤の約7割に含まれており、重複して漢方方剤を服用したことにより偽アルドステロン症を起こしやすくなるなどがある。
また、特定の食べ物との組み合わせが禁止されている場合もある。
このような飲み合わせ、食べ合わせに関する禁止事項は、一般に中国国内で販売されている漢方薬には明記されていることが多いが、日本国内で販売されているものには記載されていないことが多い。