自律神経作用薬


自律神経作用薬は、鼻詰まりがひどい患者がステロイド点鼻を行う時などに薬剤が鼻腔内に入りやすいよう、あらかじめ鼻粘膜を収縮させるべく用いる場合がある。
この種の薬剤は市販のほとんどの点鼻薬に含まれており、即効があり効果が高いため、説明書の注意書きを守らずに乱用してしまう事が多い。
花粉症に使われる市販薬でいちばん問題になるのが、この点鼻薬の副作用である。
幼児の場合、たまに重い副作用が出ることもあるので使用を避けるべきである(原則的に5歳以下には用いない)。

血管収縮剤は充血を取ると称する市販の点眼薬にも多く含まれており、やはり連用するとかえって充血がひどくなることがある。 副交感神経遮断薬である抗コリン薬はエアゾール剤の関係で製造を中止している。



■薬物治療の注意点■

新たな見解にもとづいて減感作療法をより効率的に行う治療法、たとえばプルラン(多糖類)修飾を行った抗原の投与、合成ペプチドまたはCpGモチーフと結合させたペプチドの投与、体内でアレルゲンを発現させるDNAワクチンなどの研究・開発が進められており、よい結果が得られているものもあるが、確実に花粉症が治せる保証はないのが現実である。
遺伝子操作によって作られた花粉症緩和米も、経口摂取によって減感作を行おうというものである。民間療法における特定の花粉(エキス)の摂取なども、この効果を期待したものと思われる。
こうした根治療法に近いものとして、IgEに結合することでアレルギー反応を起こさせないようにする抗IgE抗体というのも試験中であり、実用化が待たれている(海外ではすで使われている)。
減感作療法を併用しつつ、シーズン前に1回の注射を行った場合、かなりよい効果が得られているという。


■減感作療法■

花粉症の確実な根治療法はまだ確立されておらず、この減感作療法がもっとも根治療法に近い。広く免疫療法とも呼ばれ、広義では変調療法ともいわれる。
一般的には下記の抗原特異的減感作療法を指す。

▲特異的減感作療法▲
現在広く行われているのはスギやイネ科およびブタクサ程度のみと考えてよく、花粉症の種類によっては希望する治療が受けられないのが実情となっている(海外から薬剤を輸入して治療することもある)。
治療用エキスが標準化されているのはスギのみである。薬がよく効かない人や重症の人向けの治療といわれてきたが、年齢の若い人ほど効果が高いなどのこともあり、通院時間の都合がつき、意欲のある患者にとっては試してみる価値のある治療法といえる。
通院の関係上、社会に出る前、学生のうちに実施するとよいといわれる。
妊婦および授乳婦にも安全とされる。
ただし、脱落する患者が多く薬剤が無駄になることがあったり、保険における評価が低いためか、実施している医療機関は少ない。
季節前の数ヶ月のみ注射する季節前法や、数日~2週間程度入院して行う急速減感作という方法もある。

▲非特異的減感作療法▲
アレルゲンが特定できない場合に行われたり、特異的減感作の効果をあげるために並行して行われることもある。
アレルギー疾患患者の尿から採取した抗アレルギー物質であるMSアンチゲンも使われてきたが、現在は製造を終了している


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