ステロイド薬は、遊離抑制作用や受容体拮抗作用などの限られた作用ではなく<アレルギーのメカニズムのほとんど>を抑制する。
抗炎症作用も強く、多くはこの作用を期待して用いられる。
その反面、強力にアレルギーを抑えるという事は免疫そのものも減弱させるという事でもあるため、不必要な長期投与など適切でない使用を続ける事によって他の感染症を招いたり、体内のホルモンバランスが崩れることにより重い副作用や後遺症が現れることがある。
その他、副作用も多く知られている。利益不利益をしっかり考え、注意して使用することをお勧めする。
■ステロイドの投与■
花粉症においては重症の際、抗炎症作用を期待して用いられる。
抗ヒスタミン薬の内服などでは充分な効果が得られない場合、副作用の心配を考え短期間または頓服として内服される。
症状を抑える効果が高いこともあり処方を続ける医師も存在するが、副作用だけでなくステロイド離脱困難に陥ることがあるので注意が必要である。
特に小児に長期にわたって投与を行うと成長障害など重大な副作用が起るので厳重な注意が必要。
ステロイドには第一世代抗ヒスタミン薬ほどの即効性はなく、充分な効果が出るまで1日程度かかる。
基本的に短期であれば問題となる副作用はないといわれるが、第一世代抗ヒスタミン薬との合剤は副作用である眠気を感じることが多々ある。
点鼻薬のステロイドの場合は、局所に作用したのち体内ですばやく分解されるものもあり、副作用の心配も少ないため、重症の鼻炎がある場合には積極的に用いられる(医師により、重症でない場合も積極的に用いる場合がある)。
特に遅発相による鼻詰まりに効果的とされる。
鼻血が出やすくなる副作用を感じる患者もいる。
■ステロイドの注射■
スポーツ選手の使用や口コミで話が広がっており、徐放性ステロイド療法という。
1回の「注射」で治るとの噂だが、統計によれば1回だけの注射で満足な効果を得られる例はあまり多くはない。
鼻アレルギーの診療ガイドラインにおいても、望ましくない治療とされている。
内服と同様、全身のアレルギー(免疫)や炎症を抑える方法であるが、デポ剤という<油に薬剤を溶かした徐放性>のものが用いられるため、筋肉内にとどまった注射液から数週間にわたって薬剤が放出され続ける点が異なる。
報告されている副作用も多く、骨粗しょう症など、のちのちの体調に影響する後遺症の心配もある。
なにをやっても良い効果がでない患者へのほぼ<最終手段>である治療法、または事情がありどうしても薬の内服ができない場合の治療法であり、もしも副作用が出ても体から薬を抜く事が出来ないリスクを考えて、インフォームドコンセントを確実に行い、注射前後の検査を怠らぬよう慎重に実施すべきである。
もちろんこれも根治療法ではない。